『ひまわりと子犬の7日間』
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見て面白い映画ではない。犬とか動物が好きな人が観ると結構辛い内容の映画だ。愛犬家は罪深いとも言える。
殺処分ゼロを目指す取り組みをしている宮崎県は有名だが、この映画はまさにその宮崎がモデルなんだろう。
市の職員になって、仕事上とは言え、犬の処分(殺害)をやらされるのは大変だろう。野良犬を回収して7日したら殺す。町内で飼っているような犬、子供に愛されている犬でも捕獲して殺すのだ。彼らは”犬殺し”と呼ばれて、子供の敵の一人だ。
殺すのは野良犬だけではない。飼い主が放棄した犬も施設に届けられて殺されてしまう。施設に届けるのが嫌な飼い主は知らない町へ連れ出して迷子にしたり森や林に置き去りにする。引越しで置き去りにする連中もいる。
その数は万を超える。恐ろしい国だ。
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野良犬が最後は助けられる一見するとハッピーエンドに仕立てられているが、その仮面は誰にでも分かる。愛犬家は後ろめたい気持ちでこの映画を観終わるに違いない。だれもが、いつ愚かな飼い主に代わるか知れない時代だ。
孤独老人が寂しさを埋めるためにペットを飼う。最後まで面倒を見ることが出来るかどうか分からないのに。
独身者がペットを飼うときも結婚しても面倒を見るのかどうか。相手が嫌がったらどうするのか。
ファミリーでも同じ。どの家でもいつどのような事件が起きるか分からない。誰かが病気したり、』失業したり、引越ししたり。その時も責任持ってペットを飼い続けることができるか。
最初は可愛い子犬もいつかは老犬になっていく。ワンちゃんの介護まで必要なのだ。
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犬を繁殖させて売って商売している人は、犬のライフまで考えない無責任な人が多い。平気で殺処分に回すのだ。彼らは間違いなく地獄行きだろう。
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この映画を観るには覚悟がいる。
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